生地に詳しくなれるマガジン

注目の漁網再生ナイロンやペットボトル繊維とは? (再生ナイロン・再生ポリエステル)

欧米諸国を筆頭に、世界中でサステイナブルな商品つくりが活発化しています。

アパレル業界でも、その動きは日々促進されていますね。

今回はそんなエコフレンドリーな環境作りの一環であるリサイクル資源のうち、再生ナイロンと再生ポリエステルに注目したいと思います。

繊維のリサイクル生地とは?

繊維業界のリサイクル生地は、大きく二種類に分けられます。それは「プレコンシューマー(Pre-Consumer)」「ポストコンシューマー(Post-Consumer)」です。その違いとは一体何でしょうか?

プレコンシューマー(Pre-Consumer)

プレコンシューマーとは、いわば工場内リサイクルを指します。生産過程の中で出る廃棄物を資源にします。糸加工や織った際の糸くずや、ロス生地をかき集めてきたものを再利用するのです。

染色や生地加工する前の段階での資源のため、比較的に不純物が少なく、品質のいいリサイクル商品が期待されます。

リサイクル原料の回収も容易なため、繊維業界ではプレコンシューマーリサイクルは積極的に取り組まれています。

プレコンシューマーは、工場内リサイクル

生産過程での廃棄物を再利用

ポストコンシューマー(Post-Consumer)

ポストコンシューマーとは、衣服やカーペットなどの製品を消費者から回収して、資源として再利用します。ポリエステルの場合は、衣類品以外にもペットボトルからも資源の再利用をされています。

プレコンシューマーと比べて、コーティング等の加工がしてあったり、不純物が付着しているため、強度としては劣る傾向にあります。

また、衣料品等の再利用は製品回収時に適切な分別が必要で、不純物を取り除く必要があるため、リサイクル化の難度も格段にあがります。1つの服がすべて同じ素材でできているとは限りません。例えば、製品の肘などには摩擦に強いナイロン生地を使用して、残りのパーツにはポリエステルを組み合わせることもあります。同じ生地使いでも、ナイロン生地に防水用のウレタンフィルムを貼り合わせるケースなどあり、循環再生するためには、これらの異素材の組み合わせを分別する必要があります。

ナイロンもポリエステルも自然分解されずに、蓄積されます。世の中の廃棄物を減らすためにも、ポストコンシューマーは私たちが一丸となって力を入れるべき課題の一つです。

ポストコンシューマーは、製品から回収

工場から出荷され、消費者の手元に届くペットボトルや衣料品などから回収

ナイロンのリサイクル

ナイロンのリサイクルの現状

ナイロンのリサイクルは、ほとんどプレコンシューマーです。ナイロンはポリエステルと比較して、

リサイクルする原料が少なく、製品回収まではなかなか進んでいないのが現状です。

とはいうものの、ナイロンのポストコンシューマーも着実に出回り始めています。

ナイロンの漁網再生リサイクル

ナイロンのポストコンシューマーは、現在Aquafil社の「ECONYL®」という商品です。

このECONYL®は、漁網やプラスチックごみなどの廃棄物をリサイクルして作られる再生ナイロンです。

PRADAやGUCCHIなどの有名ブランドも積極的に採用しており、アパレル業界全体でかなり注目されている商品です。まだポストコンシューマーの再生ナイロンを商品化できているのはECONYL®のみと言われていますが、今後各社が積極的に開発していくことで、糸の流通も潤うかもしれません。

具体的にECONYL®はどのような特徴があるのでしょうか。

  • 海洋汚染に歯止めをかける

漁網や海洋プラスチックごみを原料に回収しているため、海の環境を守ることに貢献しています。

  • エネルギー消費量削減

原料をリサイクルすることにより、石油資源を一から新たに作り出すよりも、エネルギー消費を削減することができます。

  • 番手の種類がある

ECONYL®は定番クラスの40dや70dクラス以外にも20dといった軽量糸もすでに作られています。生糸以外にもタスランなどの加工糸も取り揃えているので、商品の幅が広がります。

  • トレーサビリティ

原料から糸を作る段階まで、透明性が高くトレースすることが可能です。また、Aquafilは契約した販売先のみにECONYL®を提供するので、最終製品が出来上がるまで透明性のあるトレースができます。

ポリエステルのリサイクル

ポリエステルのリサイクルの現状

ポリエステルのリサイクル化は、ナイロンと比較すると進んでいます。一部の大手企業では、ポリエステルの100%リサイクル化を宣言する企業も増えています。

ポリエステルもナイロン同様、以前は工場内リサイクルのプレコンシューマーがメインでした。

1997年に施行された「容器包装リサイクル法」により、ペットボトルがリサイクルの義務対象品になって以降、ペットボトルから再生したPETフレークを使用した再生ポリエステル繊維が生産されるようになりました。

このおかげでポストコンシューマーのリサイクルが活発になりました。

再生ポリエステル・REPREVE®

再生ポリエステルのポストコンシューマーで有名なのは「REPREVE®」です。REPREVE®は使用済みのペットボトルなどのリサイクル素材から作られたリサイクル繊維のブランド名です。アメリカのUnifi社が商標登録をしていて、ペットボトルリサイクルのパイオニアとして、リサイクルマーケットをリードしてきています。

NIKEやGAP、PATAGONIAなど数ある有名企業と提供をしています。衣料品の購入時にREPREVE®のタグを見かけたことがあるかもしれません。

品質の高さから、ファッションアパレルのみならず、耐久性を要するアウトドアスポーツブランドでも採用されています。

REPREVE®のサイトに飛ぶと、現時点までのペットボトルのリサイクル本数が可視化されています。2021年6月時点では250億本以上のペットボトルがリサイクルされていることが分かり、リサイクル率の貢献度を知ることができます。

REPREVE® | Sustainable. Certifiable. Recycled. High-quality performance fiber.

再生ポリエステル・ECO BLUE®

日本の再生ポリエステルも負けていません。蝶理株式会社が商標登録している「ECO BLUE®」も注目の再生ポリエステル繊維です。

このECO BLUE®の特徴は、100%廃ペットボトルを使用され、さらに日本国内の廃ペットボトルのみを使用します。日本の廃ペットボトルは海外廃ペットボトルに比べてアドバンテージがあります。

日本のペットボトルで想像するのは透明のペットボトルではないでしょうか?当たり前に思うかもしれませんが、海外の流通するペットボトルは透明だけでなく、多くのカラーペットボトルも生産されています。このため、日本のペットボトルは海外と比較して色味や不純物が限りなく少ないため、丈夫で黄ばみのないクリアな白色の再生ポリエステル繊維を実現することができるのです。

また、ECO BLUE®のもう一つの特徴は、「トレーサビリティ」です。ペットボトルの回収から、製造、商品化まで一貫したサプライチェーンを管理しているため、透明性高くトレースすることができます。

リサイクル化だけではなく、トレーサビリティも環境配慮の中でも重要なポジションです。実態を誇張して見せるのではなく、トレーサビリティは消費者にとって信頼と安心を与えます。

我々日本国内の産業とリサイクル率向上にもなり、注目していきたい素材です。

まとめ

POINT
  • プレコンシューマーは、工場内リサイクル
  • ポストコンシューマーは、製品から回収
  • ナイロンはほぼプレコンシューマーリサイクル
    • 漁網再生ナイロン:ECONYL®は唯一のポストコンシューマーナイロン
  • ポリエステルはペットボトル再利用のおかげでポストコンシューマーも活発に
    • REPREVE®はペットボトルの再利用の先駆者
    • ECO BLUE®は日本のペットボトルにこだわる高品質再生ポリエステル

環境問題が注目される中、合成繊維の再利用の動きも強まっています。

まだまだ課題は残りますが、今後も合成繊維のリサイクル化は促進されていくでしょう。

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