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日本のテキスタイル加工技術―ちりめん織とは?

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ちりめん生地にはどのような印象を持っているでしょうか?敷居が高く、普段使いには使わない難しい生地の印象があるかもしれません。最近では、デザイン性の高い服や小物にもちりめん生地が使用されることも多く、和モダンでおしゃれなアイテムとして人気があります。

軽やかな見た目なので、春から秋にかけて、ぴったりな生地です。そんなちりめん生地とはどのような生地なのか調べてみました。

ちりめん織とは?

ちりめん織とは?

ちりめんとは漢字で「縮緬」と表現され、糸の収縮を利用して表面にシボ感のある生地です。ちりめん織りは、別名「クレープ織」とも呼ばれています。

ちりめん織の特徴であるシボ感や表面の凹凸が肌触りの良さや程よいストレッチ感、そして生地の柔らかさに繋がります。さらに表面の凹凸が光を乱反射することにより、色に深みを持たせ、味のある生地が生まれます。シワになりにくいことから、昔から重宝されてきた歴史ある生地です。

ちりめん織の歴史は古く、300年ほど前から誕生して以来、今でも和服地の代表的な織り方として受け継がれています。南蛮貿易が盛んな16世紀末に、中国の明から織物術が伝えられ、ちりめん織は現在のように発展しました。ちりめん織は、日本では大阪の堺に初めてちりめん織が伝えられ、その後京都の丹後や滋賀の長浜、新潟や岐阜など全国に広がっていったとされています。

ちりめん織の作り方

経糸には無加工糸である生糸や撚りがほとんどかかっていない糸を使用し、緯糸にはS(右撚り)とZ(左撚り)強撚糸を交互に打ち込むことで、ちりめん独特のシボ感を表現します。精練する際に、強い撚りのかかったSとZの強撚糸に、撚りを戻そうとする力が働き、縮まない経糸の間で盛り上がった時にシボができます。

糸の太さ、本数(越)、撚りの強さ、方向などを変えることで、色んな見た目のシボを作ることができます。

ちりめん織の種類

ちりめん織にもいくつかの種類に分けられます。撚りのかかった緯糸は「本」ではなく「越」と数えられます。代表的なちりめんには、一越(ひとこし)と二越(ふたこし)があり、これは緯糸が「一本」か「二本」を指します。越の数によって、仕上がりの風合いに違いが生まれます。さらに、地域によってもちりめん生地には特徴に違いがあります。

 

一越ちりめん

一越ちりめんは、経糸には撚りのない糸、緯糸にはSとZ強撚糸の2種類を1本ずつ今後に打って織られます。シボが細かいため、上品な見た目で高級品のラインなどに使用されます。高級な着物に使用される一越ちりめんは、優美で柔らかな印象を与えてくれます。

 

二越ちりめん

一越ちりめんは、撚りの異なる2種類の糸を1本ずつ今後に打ち込みますが、二越ちりめんでは、2本ずつ交互に打ち込みます。

一越ちりめんと比べて、シボ感は大きくなり、その分伸縮性が高くなります。シボが大きくなることで、モダンチックで少しカジュアルな印象も与えてくれます。

一越ちりめんよりも糸を多く使っているため、少し生地が分厚くなります。

 

丹後ちりめん

丹後ちりめんは、京都の北部で発祥したちりめん生地です。丹後は、日本最大級の絹織物の産地であり、ちりめん生地の生産に適していたことから、今でもちりめん織生産の中心的な存在です。丹後ちりめんが現在まで発展した理由としては、丹後の気候と風土、そして良質な水が織物に適していたことがあげられます。

丹後ちりめんは、一越ちりめんが多く、とても繊細なシボと光沢感があり、柔らかいちりめん生地が特徴です。ちりめん生地の中でも、高級感のある見た目のため、和装や成人式などの正装用の高級着物にも使用されています。

2017年には、丹後ちりめん歴史と文化のストーリーである「300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊」が日本遺産に認定され、伝統ある日本の織物として認識されています。

300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊 | 日本遺産ポータルサイト

 

浜ちりめん

浜ちりめんは、滋賀県の長浜を中心に発展したちりめん生地です。丹後ちりめんと並び、浜ちりめんは2大ちりめん生産地として知られています。

浜ちりめんは、光沢感となめらかな肌触りに加えて、とても美しい純白が特徴です。二越ちりめんを主としており、シボ感が高いことでも知られており、美しいシボを再現するために、緻密に加工工程を調整しています。

もともと養蚕が活発だった長浜のエリアで、浜ちりめんが発展しました。特徴的な光沢感が高級感のある生地となり、着物以外にも、純白のウェディングドレスにも使用されています。

ちりめん織の素材

ちりめん生地はもともと絹糸で織られていましたが、現代では絹糸の代わりとして開発されたレーヨンやポリエステルなどの化学繊維も使われてきています。素材によっても、手触りや耐久性なども変わり、それぞれのメリットやデメリットがあります。ちりめん織を使用する際はどの点に重視するか考えておくと、素材選びが楽になります。

絹は水に濡れると縮む性質があり、洗濯などの取り扱いには苦労する生地です。絹はとても繊細な繊維のため、摩擦には弱く、また時間が立つと黄色く変色する黄変などがデメリットとして挙げられます。絹はタンパク質でできているため、虫食いなどの懸念もあります。しかし、ポリエステルなどの化学繊維を使用することで、これらの懸念をカバーすることができるでしょう。

近年ではポリエステルのちりめん製品も数多くみられ、高級感や深みのある見た目に加えて、耐久性も兼ね備えるちりめん生地もたくさんあります。また、ポリエステルは熱セット性があるため、縮みには強く、美しいシボ感を長く保つことができることも、ちりめん生地としては、大きなアドバンテージになります。

ちりめん織の用途

ちりめん織は使いにくいと感じる方もいるかもしれませんが、実はかなり万能な生地としても知られます。美しいシボと光沢に加え、柔らかさとほどよいストレッチ感に加えて、シワになりにくいことから、イメージの強い着物以外にも、多くの製品に使用されています。

流行を追求するファストファッションブランドの服にも、ちりめん織の生地が使用されていて、伝統的な和服から、現代ファッションまでカバーする万能性を持ち合わせています。ちょっとした製造工夫で、質感やシボ感を変えれることが、ちりめん織の万能性に繋がります。

下記は、ちりめん織が活躍している製品の一例です。

<和服関連>

着物、帯揚げ、風呂敷、衿 伊達衿 腰紐 兵児帯 ストールなど

<その他>

ウェディングドレス、春夏の羽織もの、シャツ、ネクタイ、

アクセサリー・小物、インテリアなど

tunageruオススメのちりめん生地

POINT

ちりめん織(別名:クレープ織)

  • 300年の歴史を持つ表面にシボ感がある特徴の生地
  • 経糸に無撚糸、緯糸に撚り方向の異なる2種類の強撚糸を使用して作られる
  • 糸の種類や越、撚糸回数を変えて様々な表情のシボ感を生み出す
  • 着物以外にも多くの製品で活躍する織物

ちりめん織の種類

  • 一越ちりめん
  • 二越ちりめん
  • 丹後ちりめん
  • 浜ちりめん

ちりめん織の素材

  • 絹、レーヨン、ポリエステルなど

和服のイメージが強いちりめん織でしたが、実はとても使いやすい生地なんです。独特の光沢感や色合いにも深みがでることから、ちりめん生地の魅力にハマる方も多いでしょう。

爽やかで清涼感のある印象を与えてくれる生地なので、春夏向けの生地として使用してみるのもいいかもしれません。

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