テキスタイリング(TEXTILING)の勧め 「MetotE・目と手」第42回の連載記事をお届けします。
「MetotE・目と手」とは。詳しくはご挨拶をご覧ください。

複雑で目まぐるしく変わる気候の変化や世界情勢。 落ち着いたとは言え、まだ不安の残るコロナ渦。 でも季節は間違いなく進みゴールデンウィーク明けの5月はすっかり初夏の様子を呈しています。
2020年以降に起きたサスティナブルをキーワードにしたムーブメントは諸所に私たちの生活にも影響を与えるようになり、消費生活の中でも意識の高まりを見せています。
春から初夏の店頭は全体にベーシックをモダンな切り口で展開したトップスやボトム、ジャケット、ワンピースなどが沢山見られます。 安心して着られる日常着や柔らかな色合いがある一方、冬から続いている黒の際立った存在感や未来志向や大胆な色使いの独創的なものもあり、刺激を放っています。
ビジネスを成功させるための安心感とファッションの持つ役割でもあるクリエーションがせめぎあうかのような市場展開といえましょう。
夏素材として期待のかかる綿や麻も新しい機能を備えながら例年になく多くのアイテムに登場しています。
一方でジャカードやツィードは素材の中でもこだわりと華やかさ、リッチな表面感など、他の素材には見られない価値観と奥の深い味わいがあります。プレーンで日常性の高いアイテムが主流の昨今ですが、最近は新たなクリエーションが求められ差別化を図る中で色、モチーフの効果の高い両素材(ジャカードやツィード)の人気が高まりつつあります。
1950年代後半から日本の大学生のキャンパスウエアとして登場し、カジュアルの底力を持つデニムは発展の絶え間なく今に至っています。どの場面でも存在感を示すようになったデニムは今シーズンも新たに様々な魅力を発信しています。
これらの素材について春から初夏の店頭からウォッチしたものを順次ご紹介します。
スポーツテイストの強いシャツやブラウス、 Tシャツ、ボトムスに欠かせない綿や麻ですが、今シーズンはこれらに加えてワンピースが存在感をはなっています。
天然素材100%よりもポリエステルやレーヨンとのミックスが多くを占めますが、表情は天然そのもの。適度な透け感とハリ感。ボリュームがあっても軽いなどの機能性を兼ね備えています。今年も引き続きコートのように羽織るワンピースや長めの丈のスカートが人気。トップスはゆったりと着る綿や麻調のシャツブラウス。同様にストレッチの効いた細身のパンツと組み合わせることも多そうです。この場合素材の軽さと分量感がポイントになります。
Tシャツやスモールニットには軽く羽織れるジャケット、ブルゾンが登場しています。
スポーツ感覚の様々な表現が新鮮でクラブやチームウエアタイプ、マリン、そのほか野球やサッカーをイメージしたものなどがおしゃれな感覚で展開されています。
シーズンが進むにつれてますます広がりを見せるでしょう。
トップス、ジャケット












ボトムス







ワンピース















北川美智子
慶応義塾大学文学部図書館情報学科卒 旭化成、三景サンテキスタイル、レナウン、三陽商会、伊勢丹研究所を経て独立。 原糸メーカー、繊維商社、テキスタイルやニットのファクトリーと素材開発、アパレルと 商品企画、販売戦略を行う。プルミエルビジョンなどの大型展示会で素材やアパレル 商品買い付けの経験の後、30年にわたりPV情報をまとめ発信。 1995年から2011年まで多摩美術大学にて非常勤講師として「テキスタイルデザインマ ネージメント」に携わる。若者に何を伝えたいかを考える、若者が何をどのように感じて いるかを知る機会に恵まれたことは大きい。 現在は世界のファッショントレンド情報を把握し、目の前にある消費者と店頭との間に 何があるかを探り、目で見て頭で考え、手で触れて心で感じ先を読みたいと考えている。
日本が誇る生地産地の機屋、ニッターなどのテキスタイルメーカーから生地を仕入れられます。
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