テキスタイリング(TEXTILING)の勧め 「MetotE・目と手」第29回の連載記事をお届けします。
「MetotE・目と手」とは。詳しくはご挨拶をご覧ください。

思わぬ猛暑、集中豪雨のニュースに気の休まらない立秋のころですが、アパレルでは来春ものの素材の手当てに尽力しているところから秋物をスタートさせるところまで素材は色柄を含めて広範囲の(企画の)対応を迫られています。
晩夏にかけてのアイテム
市場はコロナ渦のもといつもと違うライフスタイルを持つ消費者へのアプローチやネット販売を充実させ、同時に店舗の役割とその大切さを改めて考え直す事態が起きています。そんな状況を映すかのように春からのウィンドウには店やブランドの特徴、新しいラインの紹介、人気アイテムなどが注意深く魅力的に並んだ気がします。意外性や楽しさ、主張のはっきりしたもの、今までとはどこか違うベーシックやクラシック、見慣れたはずの柄や色合いが新鮮に思えたりという場面にも多く出会いました。
春から夏、晩夏のアイテムの特徴を簡単に振り返ってみることにします。
























ワンピース
今シーズンの特徴はかしこまったドレスよりも気軽に着られるワンピースが圧倒的に多く見られました。
少し長めの丈、ウエストはマークされてはいるけれどややルーズフィット、スカート部分は緩やかなフレア、プリーツやヒダ、切り替え、ジャンパースカートタイプからシャツワンピース、羽織るタイプのワンピースなど多種多様です。
素材は何といっても綿や綿/麻が主流ですがこれにポリエステルやレーヨンがミックスされたもの、プリント使い、ジャージー素材、レースや刺繍が施されたものなど多岐にわたります。
風合いは柔らかくて適度なハリ感のあるもの、ストンと落ちるシルエットが出る素材、ポリウレタン混でストレッチ性と更にオチ感を表現するなど気安さや実用性が感じられます。
形はシンプルな三つ穴ドレス(襟なし、袖なし)タイプ、シャツ襟、半袖、ウエスト切り替えの無いものもなどが中心です。
一方ベーシックを覆すかのような斬新なアイディアの盛り込まれたワンピースも気になるところです。新しさはあってもどこか馴染みやすいような、日常の中の刺激を求める様な消費者の気分の置き所を感じます。早いところでは例年通り6月に顔を出す秋物に違和感なく混じりファッションの楽しさを味あわせてくれるワンピースです。
























北川美智子
慶応義塾大学文学部図書館情報学科卒 旭化成、三景サンテキスタイル、レナウン、三陽商会、伊勢丹研究所を経て独立。 原糸メーカー、繊維商社、テキスタイルやニットのファクトリーと素材開発、アパレルと 商品企画、販売戦略を行う。プルミエルビジョンなどの大型展示会で素材やアパレル 商品買い付けの経験の後、30年にわたりPV情報をまとめ発信。 1995年から2011年まで多摩美術大学にて非常勤講師として「テキスタイルデザインマ ネージメント」に携わる。若者に何を伝えたいかを考える、若者が何をどのように感じて いるかを知る機会に恵まれたことは大きい。 現在は世界のファッショントレンド情報を把握し、目の前にある消費者と店頭との間に 何があるかを探り、目で見て頭で考え、手で触れて心で感じ先を読みたいと考えている。
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